psychology
♠役立つ心理学
ポーカーの重要な要素として心理学があると思います。
人間の本能的な無意識は、顕在意識よりも強く避けられない行動だと言われています。
無意識を克服するには、無意識を顕在化して有意識まで持ってくる作業が必要です。
私が感じるポーカーに役立つと思われる心理学を紹介します。
マズローの欲求
人間の「欲」ですが、マズローの欲求には5段階あると言われています。
| 段階 | 欲求 |
|---|---|
| 1 | 自己実現 |
| 2 | 承認欲求 |
| 3 | 社会的欲求 |
| 4 | 安全欲求 |
| 5 | 生理的欲求 |
5番目が、いわゆる食事・排泄・睡眠などの人間として基本的な生理的欲求ですが、人間の欲求にはさらに上位の欲があると言われています。
〇自己実現
例えば、プロになりたいとか、勝ちたいとかの欲求がこの自己実現に含まれます。
〇承認欲求・社会的欲求
周りの人たちにポーカーで勝っている自分を見せたいとか、お金を稼いでいる自分を見せたいという欲求です。
〇安全欲求
お金を失いたくないという欲求がこの安全欲求に含まれます。
■ポーカー戦略に邪魔になる「欲」
私も含め、多くの初心者ポーカープレイヤーは自分勝手な願望をポーカーのゲーム内で満たそうとしています。
- 「降りたほうが良いが・・・」そろそろ勝つだろう・・・
- 「ブラフをした方が良いが・・・」相手が強いかもしれないから止めよう・・・
- 「彼はフィッシュだから・・・」俺の方が理論的だから降りるのは止めよう・・・
どれも統計的な戦略ではありません。例えばルーレットでも赤が10回続いても、次に赤がくる確率は変わりませんし、自分の方が上手いから勝てるとかも関係ありません。
結局は、ハンドレンジが分かっていない相手でも、相手に合わせたエクスプロイドをする戦略であっても、淡々とプレイするのが良いのではないでしょうか?
そもそも欲は本能的な潜在意識にあるので、この欲が人間には備わっていることを理解することが重要ではないかと思います。
そして欲があるから、テル読みが有効に作用するので対人ポーカーは面白いと思います。
ゾーン
いわゆる集中力になりますが、プロのスポーツ選手では実体験をしている人たちもいるそうです。
医学的にも脳波で計測できる精神状態とのことなので、脳がゾーンに入っているという現象はあるようです。
しかし、ゾーンに入っていると何が起こるか?ということについて証明することは難しいかもしれませんが、私は自分がゾーンに入っている時が分かります。
いわゆる冴えている状態で、ポーカーで例えるなら理論的な思考が欲を抑えて合理的な判断ができる状態や、日常の仕事でもノイズが聞こえなく異常に集中している状態です。
プロのスポーツ選手でも、相手がスローに見えたり、逆に未来を予測出来たりすることもあるそうです。
集中している状態であれば、相手のバリューやブラフも見破ることができるかもしれません。
共感覚
共感覚はMENSAに入会してオフ会などで活動している時に知りました。
MENSA会員がテレビで「天才」とか紹介されるときがありますが、瞬間的な記憶力やフラッシュ計算などを紹介していることがあります。
正直、IQとは関係なく単に共感覚を使っている場合も多々あるようですが、確かにIQが高いとされる人たちが備える能力でもあるようです。
共感覚とは、人間の五感を複数使って感じることの様で、例えば数字から臭いを感じたり、色がついていたり、サイレンの音に色がついていたりと・・・
私の場合、数字に関する違和感を感じることがありますが、これが共感覚とは言い切れませんが、大抵の本人はそれが当たり前だと認識なので特別な能力と感じていないようです。
この共感覚を使えると、異常に記憶力が良くなったり、感覚が研ぎ澄まされたりするようです。
ワンピースの「悪魔の実」みたいな感じですね。
もしかしたらトーナメントで勝ち続けている人は、相手のバリューやブラフを臭いや色で見分けているかもしれませんね。笑
思考の元論
人間の思考には一元論と二元論と多元論とありますが、未だ言葉の定義に曖昧さがありますが私は使い分けています。明確な境界があるわけでもありませんが、その先に俯瞰的思考があります。
■単元論者
ひとつの「自身の思い」だけを正解だと思って対話を進めるタイプで、相手が違う意見だった場合には、無関心の意味で「色々な意見があって良い」と思うタイプ。
■二元論者
「バリュー・ブラフ」などの極端な二つの要素を並べて、どちらかに決めるタイプで「バリューではない」と言うと「ブラフ」なんだと感じるタイプ。
■多元論者
「バリュー・ブラフ」などの極端な二つの要素でも、自分と相手を分けて考察するタイプで、自分が「バリュー・ブラフ」と相手が「バリュー・ブラフ」という四分割されたマトリックスを脳で描いて考察します。
要するに、多元論者は他人と自分を俯瞰的にみて考察が出来ます。
そして多元論者はマトリックスを持っていることから、相手からどう見えるのか?も思考の半分を占めています。
GTOウィザードでも傾向を出すのであって、正解を導いていないことを感覚的に理解できます。
特徴として、単元論者は世の中の人が単元論者で構成されていると思っているし、二元論者は単元論者と二種類しか認識できないし、多元論者は色々なタイプが存在して良いと思っています。
少なくとも、それぞれの領域での会話は成立しているように見えても、論点もずれて全くかみ合っていない事の方が多いです。
認知のゆがみ
ポーカーを学ぶときに、理論的推理の部分では感情論を抜いて分析をしなければなりませんが、これがなかなか難しいようで、比較的に一元論者と二元論者で「認知の歪み」が起こります。
■認知の歪み
- 全か無かの思考
- 行き過ぎた一般化
- 心のフィルター
- マイナス思考
- 論理の飛躍
- 拡大(過小)解釈
- 感情の理由づけ
- 「~すべき」思考
- レッテル貼り
- 誤った自己責任化
私の場合は、会話をするうえで「事実」なのか「感情」なのかを確認する事が多々ありますが、最近の論客として「成田悠輔」さんや「ひろゆき」さんの会話でも、話し相手の「認知の歪み」を確認する作業も見受けられます。
ちょっと「ひろゆき」さんの場合、論破をするために、論点のスケールを変えることがあるので、それはそれで問題だと思いますが。笑
この「認知の歪み」があると記事を読んでも誤解を招き、会話そのものの論点が歪んでしまう事もあります。
要するに「事実を認識」できない傾向にあります。
ある程度の知能が起因しているものと考えられますが、性格の方が影響していると感じています。
この「認知のゆがみ」があることを認識すると、事実を認識して課題の本質に早く到達します。
ダニングクルーガー効果
これは私も年齢を重ねて実感していることですが、馬鹿な人は、馬鹿だから学べば良いのに、馬鹿だから学ばないから、馬鹿を抜け出せない現象です。笑
子供たちにも教育として「お前らよりも賢い人間は山ほどいるのだから学びなさい」と言い続けてきましたが、なかなかプライドが邪魔して素直になれないようです。
単純な話、世界一の天才は、世界中の馬鹿から学びますが、世界一の馬鹿は、世界中の天才から学びません。
要するに馬鹿は馬鹿を認識しませんし、天才は天才と認識しないというパラドックスだと思います。
MENSA会員程度だと自分は賢いと思っている人達も見受けられますが、HELLIQ会員と話をしてると、分からないことを分からないと言ってくれるし、情報共有すると感謝されることが多いです。だから知識が蓄えられるのだと思う。
ポーカーの上手い人たちを見ていると、常に学びの姿勢を持っていて向上心を持っているように思えます。
6知能指数の因果関係
そもそも誤解されている人たちが多いので事実を伝えますと、世の中でいうIQとは、その団体が用意したテストを受けて、その団体の評価基準に達している人たちが入会する仕組みなので、IQそのものの絶対的価値は存在しません。
日本の場合は残念なことに、あまり賢くないMENSA会員が「天才」というブランディングをしたおかげで、歪んで認知されてしまっています。
単にIQテストが良いという個性だと感じています。
その才能を生かして、社会貢献をすることで「天才」になるのであって、私の様の何も成し遂げていなければ、単に周囲に嫌な思いをさせる社会不適合者となります!笑
日本のWISCやWAISのテスト形式は別系統ですが、世界の高IQ団体と呼ばれている組織では「行列推理」というテスト方式でIQの測定をしています。
■行列推理
その名の通り列3×行3のマトリックスの右下が空いていて、他の8マスの図形を参考にして、右下の空いているマスを推理するテストです。
これは勉強のように記憶や公式に当てはめれば正解を導けるのではないので、訓練をしてもIQテストの点数が良くなるということでもないそうです。
私がテストで行っている思考パターン
- 見えている8マスの図形を因数分解
- 共通要素と相違要素を仕分け
- 可能性を最大限に膨らませる
- 可能性の排除して推理
- 時間制限内で正解を導く
実のところ、ポーカーの思考パターンは行列推理の思考パターンに近いと感じています。
ハンドとプレイラインで推理をしてアクションを決めることになりますが、極論はバリューの可能性とブラフの可能性とのバランスを推理することが最終的な作業ではないかと感じています。
だから自分自身を被験者として実証実験をしてみたいと思います!
もちろん性格の向き不向きの方が重要であったり、そもそもIQとポーカーとの相関関係など無いかもしれません。
それも結果なので、とりあえずは検証したいと思います。