poker 


STRATEGY

♠ポーカーの戦略

前提として、これだけ情報過多の時代なので情報の取捨選択をしなければなりませんが、ネット上のポーカー情報も例外なくノイズ情報が多いと感じています。

私の場合、ポーカーに限らず何かを学ぶときには、対象としている構造的な要点整理と情報の因数分解から始めます。

それと、実家で母親が雀荘を営んでいたので麻雀の英才教育を受けてきました。笑

分散は麻雀より大きいですが、かなり近しい構造なので比較することがあります。

私にとって有意義な情報に絞ったので、ぜひ、参考にしてください。

博打ではない

ポーカーが博打ではない大きな理由が、ハウスエッジ(日本では寺銭)と呼ばれている運営側に支払う手数料(控除率)が無いことです。

例えば、ルーレットの控除率は緑のゼロがあるので約2.7%で計算しますし、ブラックジャックもカウンティングをしなければ約1%でバカラも約1%のハウスエッジがあります。

日本の賭博場の控除率は、パチンコなどは10%と言われて、公営競馬などは25%で、宝くじに至っては50%の控除率です。

このハウスエッジとは、大数の法則により回数を重ねれば、プレイヤー側は必ずこの控除率「負け」に収束します。

控除率のあるゲームは、プレイヤー側は「絶対に勝てない」ゲームと言われて、相対する運営側が必ず勝つ仕組みとされています。

要するにブラックジャックやバカラ、パチンコや宝くじなども、運営側の利益はプレイヤー側の損失で、運営側の損失はプレイヤー側の利益となっています。

だから日本の法律でも、民間で賭場を開くことで、むしろ開いた側に賭博罪が適用される大きな理由です。

ポーカーの場合、リングゲームではレーキと呼ばれてポットを取った人から場所代を徴収する仕組みはありますが、ゲームそのものの手数料(控除率)はありません。

ポーカーは、カードを配られた後にアクションを起こすゲームなので、偶然性は無く全てがプレイヤーの知識やスキルで損益が決定します。

仮にショウダウンで55%の確率で勝つプレイヤーの戦略は、負けが連続しても繰り返していれば必ず55%は勝つことになります。

ハウスエッジのあるゲームのように、繰り返すと必ず控除率「負け」に収束するゲームとの決定的な違いです。

だからポーカーは、株や麻雀と同様にプロが存在します。

株にも手数料がありますし、ポーカーにもレーキという場所代を支払う仕組みがあるので7~8割のプレイヤーは負けますが、上位のプレイヤーは収支をプラスにすることが出来ます。

実はポーカーは運営側が儲からないために、カジノの運営側からはポーカーテーブルは人気がありません。

トーナメントは参加費と参加者で賞金総額が決まり、その賞金総額から運営費を抜いて賞金を割り当てますし、ブラインドをコントロールして時間が読めることで、運営も大きな大会では利益が見込めると思います。

推理を働かせる

トランプの52枚のデックを使ってプレイしますが、テキサス・ホールデムの場合で最大の10人でプレイをしている場合は27枚がデックに残ります。

麻雀の場合は全部で136牌の内、相手の手牌13牌×3人の39牌と王牌の13枚は最後まで見えませんが、徐々に捨牌により隠れた牌が見えるようになる麻雀よりも、ポーカーは自分が見えているカードは52枚中7枚となるので、多くの推理を働かせる必要があるので分散が大きくなります。

ポーカーの特徴として、カードが配られた後のアクションを自分で決めることが出来ます。

例えばブラックジャックやバカラなどの、多くのカジノなどで遊べるハウスエッジのあるゲームは、プレイヤーがベットした後にカードが配られたり、サイコロを振ったり、ルーレットの数字を確定させたりします。

この順番の違いで、ポーカーはプレイヤーの判断が勝敗を決めるゲームと言われています。

確立された統計的な理論と推理の判断による勝敗の蓄積は、運や偶然ではなく必然なので、ポーカーは偶然ではなく必然のゲームと言われています。

統計のゲーム

■役の強さ

ポーカーは役が出来る確率が低い順に強くなります。

この確率はハンドなどを考慮していない確立なので、覚えても実際のプレイには意味がありません。

テキサス・ホームデムでは、手札2枚とコミュニティカード5枚の合計7枚の組み合わせの確率で勝敗が決まります。

感覚的に覚えるのは7枚のカードがすべて違う、ハイカードという何も役が出来ない役の確率は17.4%(1/5.75)だということ。

後は7枚の内3枚が同じカードとなるスリーカードは5枚使うストレートと同じくらいの確率だということです。

ハンドとリバーまでの7枚でワンペアが出来る確率は48.74%なので、2のポケットペアはプリフロップ時点ではAKにも強いことが解ります。

トーナメントの終盤で、スタックが全体としてショートになってきたタイミングでは弱いポケットペアのハンドでもオールインが有効な戦略とされています。

役名確率
ロイヤルフラッシュ0.0032%(1/31250)
ストレートフラッシュ0.027%(1/3704)
フォーカード0.16%(1/625)
フルハウス2.6%(1/39)
フラッシュ3.25%(1/31)
ストレート4.62%(1/22)
スリーカード4.83%(1/21)
ツーペア23.5%(1/4)
ワンペア48.74%(1/2)
ハイカード17.41%(1/6)

■ハンドの確率(プリフロップ)

ハンドは52枚のデックから2枚のカードがプレイヤーに配られるので、その時に配られる組み合わせの確率です。

スーテッドはフラッシュになる確率が高くなりますが、コネクターはストレートになる確率が高いです。コネクターの方が確率が低いですが、これはギャッパーを考慮していないので、このような確率になります。

感覚的にポケットペアは1/13のように感じますが、1枚持っていると残り3枚なので17回に1回という確率になります。

役名確率
ポケットペア5.89%(1/17)
スーテッド23.53%(1/4)
コネクター15.69%(1/6)
スーテッドコネクター3.92%(1/25)
Ax(Aと他のカード)15.39%(1/6)

■フロップの確率

フロップは3枚のコミュニティカードが開かれた状態です。

系統としてハンドのポケットペアは、ストレートにはなりにくく、スリーカードやフルハウスの確率が高くなります。

逆にハイカードのハンドはツーペアやストレートになりやすく、ポケットのスーテッドはありませんが、ハイカードのスーテッドはフラッシュにもなりやすいです。

フロップからはアウツという概念が始まり、オッズ計算をすることでBETサイズによっての損得が求めることができます。

損する場合にはFOLDし、得する場合にはCALLを繰り返すことで統計的に必ず勝てます。※オッズ計算は別途詳細に解説します。

実践においては、フロップでスーテッドのフラッシュが完成する一発自摸などの確率を覚えておく必要はありません。

[A][K]などがペアになる確率は1/3で、コネクターのストレートドロー系に昇格する確率は高いですが、1ギャッパーでは5/6の確率となり、2ギャッパーでは4/6になり、3ギャッパーでは3/6の半分になります。

実践においては、自身のハンドがフロップ以降に昇格する確率よりも、オープンしているプレイヤーの数やポジション、ボードがウェットかドライかによって大きくアクションが変わってきます。

要するにハイカードでも相手よりも勝っていれば良く、良い役を作ればポットが貰えるテレビゲームではないということです。

ハンド昇格確率
ハンドXYペア以上32.43%(1/3)
ポケットペアセット以上11.76%(1/8)
スーテッドフラッシュドロー10.94%(1/9)
コネクター(45-JT)オープンエンドドロー9.06%(1/11)
コネクター(45-JT)ストレートドロー27.84%(1/4)

■リバーの確率

ターンの確率は、アウツの数でオッズを計算すれば出ますので、ここではリバーまでの覚えておきたい確率を紹介します。

ターンからリバーにかけて、フラッシュドローがフラッシュ完成する確率や、ストレートが完成する確率は約1/3と言われています。ストレートはガットやダブルベリーまで入れるとフラッシュドローよりも完成する確率は高くなります。

ただのガットだけで勝負することは、CALLするためのオッズが合わないことが多いです。

フロップ以降のアウツ×4%で36%とか32%とか計算しているサイトもありますが、当サイトではもう少し細かく計算しています。

ターンでは1/47の確率でカードが、リバーでは1/46の確率でカードが開かれます。

厳密に計算をすると、例えばオープンエンドストレートの場合、欲しいカード(アウツ)が8枚です。その場合の引けない確率はターンで39/47、リバーで38/46になります。

39/47×38/46=1482/2162の逆数で680/2162=31.45%(オープンエンド)

よって8枚×4%=32%より若干少ない確率で引けることになります。 アウツの計算をするときは、簡易計算よりも若干少なくなることを念頭に置いてください。

9枚のアウツがあるフラッシュは以下の計算です。

38/47×37/46=1406/2162の逆数で756/2162=34.96%(フラッシュ)

フロップリバー確率
ポケットペアセット以上19.18%(1/5)
オープンエンドストレート31.45%(1/3.1)
フラッシュドローフラッシュ34.96%(1/2.8)

■ハンドオッズ

これらの確率はハンドオッズと言い、ポットオッズとの組み合わせで統計的に損か得かという判断をします。

よくある会話で、ハンドがスーコネでフロップでオープンエンドフラドロになって「50%勝てるからオールインした。」というのは単なる丁半博打の話で、ハンドオッズの間違った解釈です。

ハンドオッズはポッドオッズとのバランスで収益が決まります。

オッズ計算

統計のゲームの項で解説した、ハンドの確率とポットに入っているチップ量とのバランスをオッズ計算と言います。

このオッズが合っていればCALLやRAISEをしても良いですし、オッズが合っていなければFOLDを繰り返せば、必ず勝てることになります。

実践においては、プレイ中に厳密な計算などできませんし、その他の要素もあるため、オッズ計算「だけ」で勝てるという訳ではありませんが、とても重要な指標です。

■計算方法

自分がボタンでポットに6BBが入っていた場合に、アウトポジションからハーフポットの3BBのBETがフロップで入った場合、自分が3BBのCALLをすると勝てば12BBを得られるので25%の投資で100%を得られる計算になります。

オープンエンドストレートの場合は、フロップの時点で32%の勝つ確率があるのでCALLをした方が得ですが、仮にターンでCALLをすると16%しかないので損をする計算になります。

6BBのポットに対して相手がハーフポットの3BBのBETをするシチュエーションで、フロップ時点で自分がオープンエンドでCALLを3回行えば1回は勝つこと計算になるので、合計9BBの投資で12BBを得られていることになるので継続すれば必ず勝てます。

オッズ計算の場合にはCALLをしなければポットを失うことになるので、過去の自身の投資額を計算に含めません。

ポット必要勝率アウツフロップターン
1/320%520%10%
1/225%624%12%
2/330%728%14%
1/133%832%16%
3/238%936%18%
2/140%1040%20%
状態アウツ
+1オーバー3
ガットショット4
+2オーバー6
オープンエンド8
フラドロ9

■実践において

オッズを知らないプレイヤーには意味がありませんが、オッズを知っているプレイヤーを相手にしているのであれば、ディフェンスにも使えます。

自分がハイカードやワンペアなどで、相手のドロー系を降ろさせるには、ターンで1/3ポットのBETをすれば、必要勝率は20%なので多くのドロー系はオッズが合いません。

小さなポットだからと付いてくるプレイヤーは初心者なので仕方ないですが、分かっているプレイヤーは降りると思います。

ポジション

私もそうでしたが、初心者の方はポジションにおける優位性を感じることが少ないと思います。場合によってはBBがプレイしやすいと感じている初心者も多いと思います。

しかし、オッズ計算が分かってくると、後からアクションを起こした方が有利だという事が分かってきます。

先にアクションを起こした人が、CHECK-RAISEなども含め、バリューやブロックやブラフなのかを考察して、後からアクションが出来るのは間違いなく有利にプレイを進めることが出来ます。

このポジションによる優位性が分かってくると、次のレンジの理解度が深まります。

ポーカーにおけるポジションは、GTOウィザードのシミュレーショングラフを見ると、その差は顕著に出ます。

フロップ以降は、最後にBTNのプレイヤーがアクションをしますが、BTNは全てのプレイヤーのアクションを確認してから自分のアクションを決めることが出来るので有利です。

■プリフロップ時のUTGが不利な理由

  • どのくらいのプレイヤーが参加するか分からない。
  • スリーベットなどで参加するプレイヤーがいる可能性がある。
  • ショートのプレイヤーがオールインする可能性がある。

プリフロップにおいては、BBが最後にアクションをしますが、フロップ以降はBTNが全てのプレイヤーのアクションを見てから、自分のアクションを決めることが出来ます。

実践においては、プリフロップでハンドの強さを計る傾向にあるので、UTGが一番不利とされていて、どのポジションより強いハンドで参加することがセオリーです。

具体的には例えば自分のスタックが4BBしかない場合、UTGで[2][2]を持ったとしても、なかなかオールインの選択は出来ません。

しかし自分がBBで[2][2]を持ったとしたら、仮にBTNの2BBのBETだけで回ってくれば、相手がポケットペア以外であれば勝率は50%以上あるので、オールインを選択できます。

相対的に、先にアクションを行うポジションをアウトポジションと呼び、後からアクションを行うポジションをインポジションと呼びます。

レンジ幅

インポジションのプレイヤーが有利ですが、プリフロップ時に一番不利なポジションであるUTGは、より強いハンドでオープンする必要があります。

ポジションによってオープンするハンド群のことをレンジと呼び、概ねの領域でオープンするかしないかを判断します。

このレンジ表はプレイヤーによって異なりますし、オープンしているプレイヤーの数やオープンしているプレイヤーのプレイスタイル、スタックの状況やトーナメントの順位などでも変えます。

参考までにヨコサワレンジで解説します。

中央のポケットペア[A][A]-[2][2]の右上がスーテッドで左下がオフスートです。

AAAKAQAJATA9A8A7A6A5A4A3A2
AKKKKQKJKTK9K8K7K6K5K4K3K2
AQKQQQQJQTQ9Q8Q7Q6Q5Q4Q3Q2
AJKJQJJJJTJ9J8J7J6
ATKTQTJTTTT9T8T7
A9K9Q9J9T999989796
A898888786
A7777675
A6666564
5554
44
33
22
ランクアクション
SSどんなポジションでもスリーベットが可能
Sどんなポジションでも参加可能
Aミドルポジションで参加可能
BHJから参加可能
CCOから参加可能
DBTNから参加可能
EBTNのレイズにコールが可能

前提としてトーナメントではなく、100BBを持った状態でのリングゲーム、キャッシュゲームの想定となるそうです。解説は本家をご覧ください。

■実践において

私は最初は実感がなかったのですが体験するとよくわかります。脳死した状態でオンラインのゲームなどで、この通りにオープンしてみてください。

少なくとも私は負けなくなりました。

例えば酔っ払いの状態でレンジを無視して適当にやるとやっぱり負けます。笑

レンジ表はプリフロップだけの戦略ですが、とても重要なことが、慣れてくると相手のレンジ幅も見えてくることです。

UTGで大きめのBETが入ってくると、プレミアハンドである可能性が高くなります。そのBETに対して、更にインポジションのプレイヤーが3BETをすると、もうかなりの強ハンドであることも推測できます。

しかし、逆にハンドレンジを利用してアウトポジションで、ミドルスーコネなどでオープンすると、フロップ以降でブラフを仕掛けることもできます。

その癖を見抜くスキルのことをエクスプロイドと言って実践においては重要なスキルです。 更にエクスプロイドをされていることを予測して、エクスプロイドするエクスプロイドオーバーエクスプロイドは裏の裏で表になります。笑

コンボ数

相手のハンドをレンジによって予測できるようになると、今度はコンボ数を考える必要があります。

テキサス・ホールデムでは52枚のデックから2枚のカードを手札として配るので52C2という計算式で合計1326通りの組み合わせがあります。

例えばプレミアハンドとされる[A][A]/[K][K]/[A][K]の組み合わせを考えてみます。

[A][A]と[K][K]はペアなので合計6通り(♠♣・♠・♠・♣・♣♥♦)あります。

[A][K]はペアではないので組み合わせは16通り(スーテッド4通り+オフスート12通り)あります。

例えば3BETされた時に、[A][A]と[K][K]は12通りで[A][K]は16通りあることから、半分以上は[A][K]であるという計算です。

このコンボ数の概念は、相手のハンドを予測するときに必要な要素で、極めて稀なコンボで負けた場合には気にすることはないです。

ちなみに[A][A]は6/1326=0.45%(約221回に1回)というレアなハンドであることが伺えます。 ポケットペアも6×13/1326=5.88%(約17回に1回)なので、なかなかハンドには入りません。

プレイスタイル

ポーカーのプレイスタイルは、レンジが狭く参加率が低いプレイヤーはタイトで逆はルースとなり、アクション(ベットやレイズ)が多いプレイヤーはアグレッシブで逆はパッシブとなります。

レンジ幅狭レンジ幅広
アクション少タイトパッシブルースパッシブ
アクション多タイトアグレッシブルースアグレッシブ

これらのプレイスタイルは、どれが良いかというよりも、自分の性格にもよりますが、継続して勝てれば正解なので、正解は人それぞれになります。

逆に相手のプレイスタイルも推理することで対策も出来るようになります。

  1. タイトパッシブ
    【傾向】レンジが狭くアクションも少ない待ちのタイプで、無駄な損失が少ない分手堅く回収する傾向。
    【対策】オッズの範囲内で少しづつポットを膨らませ、相手の3BETやCHECK-RAISEなどには慎重に対応。
  2. タイトアグレッシブ
    【傾向】レンジは狭いがオープンすると積極的にアクションをするタイプで、セミブラフも多用するのでポットが膨らむ傾向にある。
    【対策】相手が積極的な時には出来るだけFOLDして、相手のアクションが弱くなった時には逆に強気なアクションで最大収益を狙う。
  3. ルースパッシブ
    【傾向】レンジが広いので参加率が高いがアクションはおとなしく受動的なタイプで、無駄にポットを炊かないのでバランスよくプレイする傾向。
    【対策】ドライなボードでもペアやストレートなどが出来ている可能性があり、強いアクションの時にはバリューが多く警戒が必要。
  4. ルースアグレッシブ
    【傾向】スチールも積極的に狙いピュアブラフなどもするタイプで、心理を研ぎ澄ませて事故さえ避けれれば最強。
    【対策】初心者か上級者のどちらかなので、初心者ならブラフキャッチを積極的に試みて、上級者ならプレミアムハンドやフロップの大きな役でポットを炊いて回収する。
  5. ニット
    【傾向】極端なプレミアムハンドでしか参加しないVPIPがかなり低いタイプ。スチールに弱いが参加した時には確実に回収できる。
    【対策】左側にいた場合には積極的に参加することでスチールを狙う。相手が参加した時には、こちらもレンジを狭くして対応し、逆にハンドも読みやすいので無理せず対応。
  6. マニアック
    【傾向】ルースアグレッシブよりも極端にアグレッシブで感情でプレイする傾向。収支も安定しないで肩が強ければ馬鹿勝ちもありうる。
    【対策】分散が大きくなるのでなんでこれで負けるの?ということで熱くなりやすいが、結局は統計に収束するので淡々と冷静に対応。

GTOウィザード

最近の演算処理が早いパソコンのおかげで、GTOウィザードというアクションの最適解を導いてくれる仕組みもあります。

多くのプロポーカープレイヤーが勉強の為に活用していますが、既に各アクションは統計でセオリーは決まっています。統計的なセオリーは麻雀で言う牌効率と同じで、勝つための戦略の1つに過ぎず、上手くなるための初歩的な要素でしかありません。

GTOウィザード同士で戦わせれば統計通りの成績になりますが、素人はGTOウィザードから外れたプレイをしますし、逆にプロは分かっていて外します。

麻雀で言う当たり牌は少ないけど出やすい牌で待って、捨て牌でひっかけをするという戦略と一緒です。

しかし、セオリーは戦略の基軸になるので知っておいて損はありません。

戦略の種類

ポーカールームに通い始めて、少し勉強をし始めると、ポーカーは「自分が勝つゲーム」ではなく「相手を降ろすゲーム」と学ぶ機会がある。

しかし、この概念は私は今でもあまりしっくりこない。

私が思うポーカーにおける戦略は4つあると感じています。

  1. 相手にバリューBETをしてCALLさせて勝つ。
  2. 相手にバリューBETと見せかけてFOLDさせて勝つ。
  3. 相手にブラフBETを打たせて勝つ。
  4. 相手にブラフBETと見せかけて勝つ。

■バリューBET

これが基本となると思いますが、バリューBETとはCALLさせてショウダウンまで行って最大収益で勝つことです。

■ブラフBET

ピュアブラフにしてもセミブラフにしても、自身のいつものバリューBETのサイズよりも大きめにBETする必要があります。

パッシブなプレイヤーがいきなり強気のベットをするとブラフキャッチされます。

■ブロックBET

アウトポジションの戦略としてはブロックBETがあります。

ポットサイズに対して20%-40%程度でBETしますが、これは自分がドロー系を引きたいときやポッドを無駄に大きくしたくない時などに使います。

このBETに対して3BETをしてくる相手には降りて正解となりますが、逆に言えば相手が強いハンドであっても最大利益を出すことができなくなります。

ローポケやハイカードなども降ろすことが出来るので、アウトポジションの戦略として優秀ですし、ソルバーなどでも有効な戦略として確立されています。

■ブラフキャッチ

相手のスタック量とプレイスタイル、ポジションレンジとボード、プレイラインから推理してキャッチします。

タイトパッシブなプレイヤーがハンド予測とボードにおけるプレイラインに不自然なアクションがあれば、試みるのも良いと思います。

しかし、相手がある程度の熟練者でなければ、ブラフとバリューの区別がつきません。

■バリューCHECK

リバーなどで見られますが、ナッツを持っているアウトポジションのプレイヤーが、CHECKや小さなBETをするアクションです。

相手がアグレッシブであれば有効な手段ですし、CHECK-RAISEをすることで、ブラフにも見えるし大きなポットを獲得できるかもしれません。

しかし逆にポットが小さなまま終わるリスクもあります。

収支バランス

分散の大きなゲームなので負けることもありますし勝つこともあります。

絶対的に言えることが、負けるときよりも勝つときの方が大きければ、トータルで負けることは有りません。

逆に負けているときにターンやリバーで打たされてショウダウンで負けて、勝っているのにCHECKで回ってポットを膨らませないでショウダウンして勝っても、トータルで絶対に勝てません。

だからショウダウン時の勝率が最も重要で、それまでに負けているハンドであれば潔く降りるのが賢明です。

強ハンド同士の展開などは稀ですし事故することもあります。

しかし、微妙な感じの展開の時には、相手が下りない程度に引き出すことや、オッズ計算をしたり、スチールを意識したりと細やかな戦略も有効です。

よくポーカープロになるには1時間で10BBのプラスが最低条件と言われています。 仮に1時間に20ハンドだったとして、1ハンドで0.5BBのプラスです。極論としては小さなスキルの積み上げで継続することで、継続して勝つことになります。

実践において

実践では相手のプレイスタイルや流れなどを考慮して補正をかける必要があり、座学での理論の習得はようやくスタートラインについた感じです。

インプライドオッズとか調べると出てきますが、とりあえず今はここに書かれている事を実践で出来るように訓練したいです。

1.プリフロップ

  • ポジションによるオープンレンジを考察
  • マルチウェイは出来るだけ避けてオープンするときは3BBでオープン

2.フロップ

  • 傾向としてハイボードではアウトポジション側が強い傾向、ローボードではアウトポジション側は弱い傾向
  • インポジションはボードによる傾向の偏りを考慮しない
  • ハイカードやローポケなどで絡んでいない場合、ボードがドロー系であれば相手を降ろすBET
  • 絡んでいれば、相手がアクティブであれば打たせてCALLして、パッシブなら積極的にこちらからBET
  • CALLやBETをする場合はオッズ計算

3.ターン

  • オッズが低くなるので、自身のドロー系や相手のドロー系などはアウツの計算してBETを検討
  • ボードと相手のプレイラインにプレイスタイルを考慮して、相手がバリューなのかブラフなのかを決めて対応
  • リバーでのアクションを想定

4.リバー

  • 勝っている場合は相手がCALLしてくれる最大のBET
  • 負けている場合にBETされたら無理せずFOLD
  • 全体としてCALLで回っている場合でインポジションならBETを検討
  • セットは事故としてあきらめる

すべてのアクションは感情論ではなく、理論的にアクションをすることが重要だと考えています。

多分、その後に感情を利用して最大バリューを取ることやテル読みなどの領域に入るのではないかと思います。

結局、相手のプレイスタイルと流れによって勝敗の半分は決まるので、自分のハンドの強さよりも洞察力の方が重要な気がしています。

麻雀でもそうですが、上手い人は理論を重視しますが、強い人は相手に合わせて対応できる人ではないでしょうか。

これから学んでいこうと思います!

意味のない学び

時折、有名ポーカープレイヤーのSNSや動画に「こうしたほうが良かった」とか「意味がわからない」などというコメントを入れている人達がいますが、こっちこそ意味が分かりません。

というのも、そもそもポーカーのハンドレビューは、その瞬間のアクションを解説しているのであって、全く同じハンドとボードであっても、その場の雰囲気や相手のプレイスタイル、スタック量や自分の気分などで変わることがあると思います。

考え方を学ぶのであって、そのアクションを学ぶことではありません。

配信テーブルなどで全体の解説付きのレビューは参考になると思いますが、それもまたメンバーが変わればアクションも変わるので、なんとも言えません。

少なくともハンドレビューの様な動画や記事は「そうなんだ~」程度で良いと思います。